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はじめてストーリー(その3)

初めて葉巻の実物と出会ったのは?

(ちょっとオーバーな表現かなぁ・・・)

中学生の頃だったと思う。
父親が仕事先から家に持ち帰って来たのを今でも覚えている。
入手経路や状況は定かではないが、何らかの事情でもらったか何かしたのだろう。
今でも父が、“これは葉巻といってとても高価なものである”なんて言って、

高級そうな木箱を開封し見せてくれた。

記憶では父は偉そうに、ぎっしりと箱に詰まった葉巻の一本を取り出し吸ったのを見た気がする。
しかし、父が葉巻を手にしたのを見たのはそれが最初で最期、以来、父親が亡くなる30数年後まで、

葉巻の話題すら出なかった。
不思議なのは、多分、父が吸い方も分からず吸った事!
おそらく吸い口を歯で食いちぎり、煙草のようにプカプカと吸い込み、むせて“マズイ!!”と思ったに違いない!
残りの葉巻はどうなったかって?
以来、家のリビング(茶の間の事)のサイドボード(茶箪笥の事)の中にしまわれており

誰も手を付けませんでした。
この事実が、最初の一本で、葉巻をあきらめた父の気持ちを顕著にあらわしている。
私はたまに箱を開け、残りの葉巻を手に取り眺めたりしていたケド、決して、吸おうとは思わなかった。

 

高校生の頃、まわりの悪ガキが皆煙草を吸ってた時も、俺は葉巻だ!
モク(注!タバコの事)なんってガキっぽい!

悪くて偉い奴等は皆、ギャングなんかもシガーだぞ!!
なんて意気がらないで、素直にタバコに走ってました・・・

葉巻なんて持ってったら、不良仲間もしらけちゃったかも。
高校生葉巻で補導!なんて聞いた事ないし・・・

 

その後の家の葉巻はどうなったかって・・・
社会人になった時に、時計やライター・キーホルダー等の小物入れとして、あの葉巻の箱が欲しくなり、

数年ぶりに開けてみると、葉巻は当時のまま減っておらず、

箱の状態も良く(上蓋の片側がヒンジで留めてあり、蓋もしっかりしまるタイプ)、

ジュエリーBOX?として充分!!
葉巻はすっかり捨ててしまい、今でも小物入れとして残ってます。
今、改めて箱を見たらフィリピン製の物でした。

 

でも、葉巻捨てなければ良かったなァ~と、後悔してます。
でも葉巻の箱って、何で男心をくすぐるんだろう。
今でも葉巻の箱を捨てる時には、ちょっと躊躇します。
又、葉巻より、箱の話になっちゃったケド・・・
つづく・・・・・・・カナ?!

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